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【内外に連続する空間の幼稚園】
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敷地は、福岡市の中心部から地下鉄で20分ほどの丘陵地。動物とのふれあい、畑作や忍者クラブといった、豊かな自然環境を生かしたユニークな保育を続けてきた「さつき幼稚園」の新築移転です。 |
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近隣の開発によって窮屈になった旧園舎から800mほど、山に向かって約300人の園児と保育者、新幹線1車両と動物たちが移転することになりました。山と沢に抱かれ、博多湾の島々まで見渡すロケーションの中で、子ども達の夢を育み、集う大人たちの心も豊かにしてくれる場所を生み出そうと、内外を穏やかに連続させながら、眺望と風の流れを意識した木造の園舎を計画しました。2歳から5歳の年齢に応じた移動距離や高低差や活動範囲を考え、既存の棚田を造成しながら大きく3つのレベルに整理し、年齢ごとに中庭を囲みながら開かれたスペースを目指しました。 |
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園舎は床から1mの高さまで、園児の身長を考えて収納や壁で囲むことにし、その上部は出来る限り開放的に透過性を高めたいと考えました。それは、部屋の中に居ながらにして自然を感じることはもちろんですが、園児にとって落ち着いた環境を生み出すことが重要であり、保育士にとっては互いの部屋を透過しながら視線を行き来させ、互いにコミュニケーションが取れる空間にすることが、安心できる幼稚園を実現する上で必要だと考えたからです。 |
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大きな庇としての外部廊下までを保育室と捉えて、軽やかな屋根の下で内外一体となった園児の居場所を考えています。大きな屋根をいかに軽やかに見せるか、スパンを飛ばしながらも木造の柱が森の延長として自然に溶け込むようにと、さまざまな検討の末に柱は上部で枝分かれして格子梁を支持することになりました。2本あるいは3、4本と場所によって異なる枝分かれは子ども達の小さいスケールにいっそう馴染む空間を生み出しています。また、各保育室は、園児の集う高さ1mの範囲を空調対象範囲として、床から冷暖房によって室内環境をコントロールしていますが、中間期のほとんどはトップライトからの光と風の抜けといった自然通風採光によって環境が保たれています。 |
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施設名称
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さつき幼稚園
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主要用途
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幼稚園
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建主
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学校法人 福岡自然学園 |
主たる設計者 |
設計: |
工藤 和美・堀場 弘・柳 良子(シーラカンスK&H) |
構造: |
岡村 仁(空間工学研究所) |
設備: |
高間 三郎(応用冷暖研究所) |
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設計 建築・監理
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シーラカンスK&H
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施工 |
安藤建設九州支店
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構造 |
木造 鉄筋コンクリート造、 杭・基礎 直接基礎
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面積 |
敷地面積 13,174,23m2
建築面積 2,405,16m2
延床面積 2,717,18m2
地下1階 319,5m2 / 1階 2,113,81m2/ 2階 283,86m2
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建蔽率 |
18.26%(許容:40%) |
容積率
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20.62%(許容:50%)
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階数 |
地下1階 地上2階
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設計期間 |
2003年10月〜2005年4月
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施工期間 |
2005年7月〜2006年3月 |
所在地 |
福岡県福岡市早良区西油山154
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