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学校建築は、教育の場、児童生徒が心身ともに成長を遂げる場として「優しい」建築環境が必要とされており、順応性が高い木の特性が最大限生かされるものの一つです。加えて、学校は、年齢・世代を超えた多くの地域住民の活動・交流の場として、また、災害時には地域の防災拠点として、地域で学校が果たす役割は今、益々大きくなっています。しかし、木を活用した学校建築の計画・設計プロセスの中には、建築計画、意匠、構造、室内環境、生産、地域環境、まちづくり等の多様な点で、乗り越えるべき様々な課題があります。 |
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そこで、「木」で創る学校建築 − 校舎・体育館・講堂・その他を主要な調査対象とし、これら施設における計画・設計プロセス上の様々な課題を調査・分析し、木を活用した学校建築の設計手法・プロセスの構築を目的としています。また、研究の一環として、熊野古道と白川郷で、地元の森林材を使った小学校建設のプロジェクトに取り組んでいます。 |
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一般的に、木造住宅と小中学校の木造校舎では、単位面積当たりの木材使用量は概ね同程度ですが、延床面積が木造校舎では数千m2に達し、一時的に大量の木材を必要とします。しかし、年度事業体制のもとで竣工・納入時期が決められ、乾燥も考慮するとその調達には常に困難がつきまとっています。一方で、地域産木材の活用は、森林保全、里山維持、地域振興、地域の建築文化の継承等、単なる学校建設を超えた好循環フローの実現といった効果も期待されています。 |
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地域産木材の好循環フローを実現させるためには、木の作り手と使い手を結びつけ、地域産木材の生産・流通システム上の問題、建築基準法・消防法等の諸規定の問題、建築・構造・環境にわたる設計上の問題など、多様な分野で抱える問題点を総合的に解いていく必要があります。そこで、こうした木の作り手と使い手の共生に関わる具体的な問題点を調査・分析し、地域産木材を活用した好循環フロー実現のための共生社会システムの構築を目的としています。 |
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広域およびその周辺に存在する森林の木材供給能力、地域区分、築年数、今後の経年を考慮して、既存および新設学校建築における木資源多活用の可能性と、それによる建築ものづくりフレームの再構築を行います。 |
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学校建築は、その用途、機能から大スパン構造となります。そこで、再生・循環機能を有する生物系資源の「木」による多種多様な構造システム、接合システム、木質材料、鉱物系資源であるコンクリート、鉄を適材適所に用いて、構造架構の木質化を実現する木質共生構造システムの構築を目的としています。 その中で、木質学校施設の振動測定、最適化手法を用いた構造解析、構造実験などを行い、木質共生構造システムによる学校建築の構造特性、振動特性の定量化とその蓄積を行います。 |
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「木・共生学」に関わる建築計画、意匠、構造、室内環境、生産、地域環境、都市計画の各専門分野が横断的、総合的な検討、取り組みを行い、それぞれの研究成果、収集したデータの共有化を図ります。構築されたデータベースは、木を活用した社会共生型の学校建築を多角的視野で検討、評価する事ができると考えられます。収集した多様な情報や研究成果等を広く社会に公開すると共に、木・共生学に関わる研究者と実務者を結ぶネッワークの構築を目指しています。
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